Netflixドラマ『グラスハート』に登場する藤谷直季のモデルについてご紹介します。
若木未生先生の小説が原作のドラマ『グラスハート』に登場する天才ミュージシャン・藤谷直季には実在のモデルがいるのでしょうか?
Netflixドラマ『グラスハート』の藤谷直季に実在のモデルはいるのか、実在のミュージシャンとの共通点について詳しく解説していきます。
【この記事でわかること】
『グラスハート』藤谷直季のモデルは誰?
『グラスハート』に登場する天才アーティスト・藤谷直季に実在のモデルはいません。
これは、原作者の若木未生先生が明言しており、グラスハートシリーズのあとがきを見ると、藤谷直季にモデルはいないと書かれています。
どのキャラクターにも、特にモデルとなったミュージシャンはいないのですが、「西城のドラムを書く前には、このCDを聴く」だとか「坂本君の音を書くためには、この曲を聴く」というような、起爆剤やスイッチみたいな大事な音楽は、たくさんありました。もう、天国へいってしまった人もいて、二度と生で聞けない音もあります。
藤谷直季は天才すぎてモデルが見つからない人物
『グラスハート』の藤谷直季は、14歳で音楽シーンに彗星のごとく現れた音楽の天才であり、ロック界のアマデウスとも称される存在です。
天才と言われる作曲家「アマデウス」ことモーツァルトのように、藤谷も天性のセンスで人々を魅了しますが、その才能は周囲と軋轢を生み、自身をも追い詰めていきます。
サポートメンバーや裏方で曲作りに取り組んでいた頃の藤谷直季は、当時、師弟関係にあったプロデューサーの井鷺と決裂してしまいます。
原因は、井鷺が藤谷の才能に嫉妬し、自分の下で自分のためだけに働くよう強要しようとしたことでした。
井鷺から逃げ出すように、乗っていた井鷺の運転する車から飛び降り、それがもとで藤谷直季は右足に障害を負うことに。

まだ若かった藤谷直季を、井鷺がいいように利用しようとしていた。
しかも藤谷に嫉妬して、自分より上に立つことを恐れていたんです。
大人の井鷺と未成年の藤谷、二人は決別するしかなかったですね。
そんな藤谷は18歳で東京大学への進学を理由に一度音楽活動を休止します。
ですが、本当の休止理由は、プロデューサー井鷺との確執と決別が原因でした。
しかし、24歳でバンド「テン・ブランク」を結成し、再び音楽の世界に戻ってきました。
高岡尚と出会い、もう一度、自分の思い描く音楽を形にしようと動き出したのです。
作中で見せる圧倒的な才能とカリスマ性ら、グラスハート『藤谷直季』実在のアーティストを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、藤谷直季はあくまで若木先生の創造したキャラクターです。
音楽への深い愛とリスペクトが詰まった作品だからこそ、藤谷直季にリアルな存在感を感じられるのかもしれませんね。
藤谷直季 以外のキャラクターにもモデルはいない
作中には音楽シーンを彩るさまざまなキャラクターが登場しますが、どのキャラクターにも実在のミュージシャンがモデルとして存在するわけではありません。
ただし、若木先生は特定のキャラクターの音楽を描く際に、「このドラムを書く前にはこのCDを聴く」「この曲を聴いてから執筆する」といった形で、影響を受けた楽曲を執筆のスイッチとして活用していたそうです。

曲の詳細までは明かされていませんが、影響を受けた音楽の中にはすでに他界したミュージシャンの音楽も含まれていることを、グラスハートのあとがきで若木未生先生が明かしていますよ。
若木未生先生が聴いた音楽が、作品の中で藤谷直季やそのほかのキャラクターに受け継がれ、音楽が生き続けているといえますね。
『グラスハート』藤谷直季と共通点のあるミュージシャンは?
『グラスハート』に登場する藤谷直季には、いくつもの顔があります
- 作詞家
- 作曲家
- 編曲家
- プロデューサー
- 「テン・ブランク」のボーカリスト
- 「テン・ブランク」のベーシスト
- 「テン・ブランク」のバンドリーダー
このほかにも、事務所を通さずにタイアップの仕事を引き受けてくるなど、プロモーションにもかかわっています。
ここまでの仕事を一人の人間が行っているとなると、もはや神がかっているとしか言いようがないですよね。

東京大学に入学できるだけの知性を持っているとは言っても、あまりに常人離れしていますよね。
実在のアーティストでここまで仕事を幅広くしている人を探すのも難しいですが、そんな中でも「この人、似てるかも?」と思うようなアーティストは何人か実在します。
似ているアーティスト1:坂本龍一と小室哲哉
作詞や作曲、編曲やプロデューサーも行っている有名アーティストといえば、
- 坂本龍一さん
- 小室哲哉さん
がすぐに浮かびますよね。
特に小室哲哉さんは、『グラスハート』が執筆された1994年当時はプロデュースするアーティストや楽曲がのきなみヒットチャートの1位に君臨していました。
「小室ファミリー」「TKファミリー」なんて言われるくらい、当時の小室哲哉さんは勢いがありましたよね。

『グラスハート』が発売された1994年当時を振り返っても、坂本龍一さんも小室哲哉さんも、作詞作曲から編曲・プロデュースまで手掛けていたのが思い出されます。
『グラスハート』の読者の間では、「藤谷直季のモデルは小室哲哉?それとも坂本龍一?」なんて言われていたりもします。
似ているアーティスト2:山下達郎と大瀧詠一
藤谷直季が作詞作曲だけでなく、ベースだけでなく鍵盤やギター、ドラムにも精通しているという点は
- 山下達郎さん
も近い属性を持っていると言えますね。
山下達郎さんは、あらゆる楽器を演奏できることでも有名です。
さらに、作詞作曲もし、妻である竹内まりやさんのプロデュースも手掛けています。

シティポップの代名詞的存在で、ロックとは離れているけれども、たぐいまれなる才能という点では藤谷直季と共通するものがありますね。
一人で何役もこなしてしまう才能、という点は藤谷直季を彷彿とさせるものがありますね。
さらに、作詞作曲にプロデューサーから歌と幅広く活躍したヒットメーカーと言えば
- 大瀧詠一さん
も挙げられます。
山下達郎さんとは、シュガーベイブというバンドで一緒に活動をしていました。
大瀧詠一さんもシティポップの代表的なアーティストで、1994年にはソニーレコード傘下のOo RECORDSにプロデューサー兼取締役として参画し活躍していました。
似ているアーティスト4:King Gnu 常田大希
藤谷直季率いるロックバンド「テン・ブランク」と同じ編成のバンド「King Gnu(キングヌー)」の
- 常田大希さん
も、作詞作曲から編曲、ボーカルと幅広い活躍を見せている一人として挙げられます。
『グラスハート』発売当時には存在してはいませんが、もしも今、「テン・ブランク」に近いロックバンドは?と考えると「King Gnu」なのでは?と思いますよね。

SNS上で「若木先生がタイムマシンで今のKing Gnu見て、それ参考にしてグラスハート描いたって言われても納得。藤谷直季みたいな人、ほんとに現れるなんて…20年越しとかすごすぎ」なんてファンのコメントもありましたよ。
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こうして実在の人物を見てみても、いかに『グラスハート』の藤谷直季が多才かということがわかります。
「アマデウス」と称されるほどの音楽的才能に加え、東京大学に入学するほどの知性を兼ね備えた人物という、まさに創作だからこそ成り立つ、藤谷直季はそんな人物ですね。
ですが、創作だとわかっていても、藤谷直季は実在するんじゃないかと思わせるような人間味あふれるキャラクターなのが、著者の若木未生先生の文章の妙と言えます。
まとめ
『グラスハート』に登場する天才アーティスト・藤谷直季には、特定のモデルはいません。
原作者の若木未生先生があとがきで明言しており、他のキャラクターにも実在のミュージシャンのモデルは存在しないとされています。
ただし、執筆の際には特定の楽曲がインスピレーションとして使われており、すでに他界したミュージシャンの音楽も作品に影響を与えていた、と若木先生は述べています。
藤谷直季は14歳で音楽シーンに登場し、18歳で活動休止後、24歳でバンド「テン・ブランク」を結成した「ロック界のアマデウス」と称される人物です。
作詞作曲、演奏、プロデュースまで幅広くこなす藤谷直季の多才さは、坂本龍一さんや小室哲哉さん、山下達郎さんなどと共通点が見られますが、藤谷直季はあくまでフィクションのキャラクターです。
それでも藤谷直季の人間味あふれる描写が、実在を思わせる魅力を放っている、そんなキャラクターです。