ドラマ『御上先生』4話で浮かび上がった謎について、くわしく考察していきます。
隣徳学園の送られてきたFAXや御上先生の過去について少しずつ明るみになってきた4話ですが、さらに謎が深まる部分もありましたね。
そんな『御上先生』4話で浮かび上がった謎を詳しく考察し、何を伝えたかったのか、そのメッセージを読み解いていきます。
【この記事でわかること】
『御上先生』4話考察
ドラマ『御上先生』4話で浮かび上がった謎、
- 「高見家」の墓と槙野との関係は?
- 槙野が中岡に近づいた目的は?
- 御上宏太の事件の真相とは?
- 文部科学省の副大臣を展示におびき寄せた理由とは?
- 倭建命を名乗る人物からの新たなFAXの意味とは?
について、くわしく考察していきます。
「高見家」の墓と槙野との関係は?
文科省の槙野が訪れたお墓には「高見家」と書かれていました。
そして、槙野の回想で、病室に見舞った槙野が空のベッドを見て窓から身を伸しだすシーンが描かれています。
この病室にいた人が「高見」という人物で、シーン描写から入院中に窓から身を投げ出して亡くなった可能性が高い、ということがわかります。
では、この「高見」は槙野にとってどんな存在だったのでしょうか?
- 文科省の尊敬する元先輩
なのではないかと考えます。
御上が兄が亡くなったことをきっかけに教育界を変えたいと志したように、槙野もまた「高見」が亡くなったことが文科省を変えたいと密かに志すきっかけとなったのではないでしょうか。
そして、自分なりの方法で文科省を変えるべく、中岡に単独で近づいていったと考えられます。
槙野が中岡に近づいた目的は?
槙野が中岡に近づいた目的は、自身と政治家とのパイプを強固にし、文科省の人事に一枚かみたい、という狙いがあると考えられます。
上司の塚田に従ってはいますが、絶対服従というよりは自分の目的遂行のために今は利用している、という感じがしてなりません。
その証拠に、中岡と二人で会った時の会話で「ご存じのように塚田は、自分のポジションをそれはそれは大切にしています」と、塚田のことをどこかバカにしたようにも取れる発言をしています。
同時に中岡に「後ろ盾が必要なんです」とも槙野は言います。
自分が塚田のポジションを追い越そう、という野心が見え隠れしますよね。
文科省の人事権を握っている永田町と独自につながりを持ち、塚田を今のポジションから引きずり下ろす、そして自分のポジションを上げる気でいると考えられますね。
御上宏太の事件の真相とは?
次元が神崎に、御上の兄の事件に関する2チャンネルの掲示板を発見したと教えます。
そこには、事件の真相が書かれており、神崎の表情から察するにかなり衝撃的な内容であったことは間違いありません。
御上の兄の事件の真相とは、一体なんだったのでしょうか。
- 声明文を校内放送で発表した
- その直後に亡くなった
- 後追いがでるほどの影響があった
という3点しか今はまだわかっていませんが、一番気になるのは「後追いが出た」という点です。
御上の兄の声明文に賛同した人がいた、ということですよね。
自分の命と引きかえに、御上の兄は何を得たかったのでしょうか。
御上先生公式ホームページに、ヒントになりそうな一文が掲載されていました。
未来を夢見る子供たちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実
御上先生 公式ホームページより
隣徳学園で行われているかもしれない不正、入試問題をあらかじめ生徒たちに解かせている、それと同じことが御上や御上の兄が通っていた学校でも行われていたのではないでしょうか。
受験に受かる合格率を上げることだけが至上命題で、本来、学びを通して養われるべき力をないがしろにされている、自分たちの学ぶ権利を侵害されている、と御上の兄は抗議したかったのではないかと考えれます。
文部科学省の副大臣を展示におびき寄せた理由とは?
文科省の副大臣を教科書検定の展示におびき寄せたのは、教育改革を進めたい御上の思惑に合致したからだと考えられます。
東雲の問題提起は、現在の教育の矛盾や在り方を問う内容であり、変革を必要としている部分といってもいいでしょう。
それは御上の教育改革の理念と合致しているのではないでしょうか。
そして、御上は事前に副大臣に隣徳学園にいることを、あらためて連絡していたと考えられます。
副大臣がいらっしゃると聞きました、お時間あれば生徒たちの展示をぜひご覧になっていただきたい、と槙野の知らないところでPRをしていたのではないでしょうか。
「御上君がいたよね」と都合よく思い出してくれるとは到底思えませんし、御上は事前に副大臣とコンタクトを取っていたと考えていいでしょう。
副大臣に教科書検定の矛盾や在り方を問うことで、御上は変革への波紋を広げたとも言えます。
倭建命を名乗る人物からの新たなFAXの意味とは?
職員室で主任の溝端から詰め寄られた御上たちのいるその場で、新たなFAXが送られてきます。
我は平川門より入る人々に
草那藝之太刀(くさなぎのたち)を振り下ろす者なり
お前の不正はまもなく白日のもとに晒される
倭建命
声明文と取れる新たなFAXが隣徳学園に届きました。
私は裏口から入る人々に
神剣を振り下ろす者だ
お前の不正は まもなく明らかになる
倭建命
と読みかえることもできます。
「隣徳学園に裏口から入る人々」とは、一体誰のことなのでしょうか?
- 隣徳学園に裏口入学した生徒
- 隣徳学園から有名大学へ裏口入学した生徒
の2つの可能性が考えられます。
ですが、ここでは「隣徳学園から有名大学へ裏口入学した生徒」のことを指しているのではないでしょうか。
そして「草那藝之太刀」は、東国の制圧に向かう倭建命に授けられた剣で、三種の神器の一つです。
「草那藝之太刀」を「崇高な使命を持っている」と解釈するならば
- 崇高な使命のもと、数々の不正を行った人たちに制裁を加える
という意味合いも含まれてそうですね。
ここまでのことを合わせると、
私は裏口から入る人々に
崇高な使命を持って制裁を加える者だ
お前の不正は まもなく明らかになる
倭建命
という意味なんではと考えます。
そしてこのFAXの送り主は誰なのか、首謀者はやはり御上と考えられますが、実行役について不明です。
- 槙野
- 金髪の謎の青年
のどちらかが関係している可能性が高いです。
そして、制裁を加えられるのは誰なのか。
主任の溝端が理事長に報告もせず、FAXをすぐにシュレッダーしたところを見ると、隣徳学園の教職員がこのFAXのターゲットと考えられられますね。
やはり、隣徳学園内部の大人の不正とそれにより恩恵を受けた生徒がいることを明かしたい、そういう意図にとれますね。
『御上先生』4話あらすじ
神崎(奥平大兼)は冴島(常盤貴子)の家を訪ねたがすでに引っ越しており、職場もやめてしまっていました。
神崎は是枝(吉岡里帆)に冴島の行方を聞きますが、是枝も冴島の行方を知りません。
一方、東雲温(上坂樹里)は、文化祭で自主企画の展示をやろうと企画書をクラスメイト全員に配布します。
展示のテーマは教科書検定。
企画に賛成するもの、反対するもの、意見がぶつかります。
そして一旦はおりた教室の使用許可が取り消されそうな事態となり、御上は生徒たちにディベートを提案します。
自主企画に不参加の櫻井が賛成派、企画者の東雲が反対派、としてディベートを進めます。
企画に不参加の櫻井が教科書検定や東雲の父について詳しく調べており、クラス一同、櫻井のディベートに驚きを隠せません。
そして櫻井の「企画は、やるべきだと思います」という言葉に、東雲は反対派としての意見を言うことができませんでした。
ここで御上が、ディベートの内容をまとめ、やるべきことは見えたと生徒たちに告げます。
そして、文科省の副大臣が文化祭を視察に訪れることを明かすのです。
何としても企画を見てもらいたい東雲は、学校側にダミーの企画書で教室の使用許可を取り付けます。
ですが、実際の展示内容は差し替え前の企画内容でした。
一方、神崎は次元から御上の兄に関する新たな情報を入手します。
次元が見つけた昔の掲示板に、御上の兄の事件の真相が掲載されていたのでした。
その頃、是枝は御上を呼び出し、隣徳学園にFAXで届いた怪文書の解釈について話し始めます。
倭建命が設けた関所が霞が関であること、平川門は江戸城の裏門であることから隣徳に裏口から入った人が多数いること、「まほろば」は「真秀ろば」と書き理事長の名前と一致すること、など自身の見解を述べます。
そして是枝はFAXの送り主は御上かと聞きますが、御上は即座に否定するのでした。
文化祭の前日、神崎は真山弓弦の面会に拘置所を訪ねます。
そこで冴島と再会し話をしますが、やはり冴島は神崎にまだ何か隠しているようでした。
文化祭当日、文科省の副大臣を企画展示の教室に誘い込むことに成功した御上と生徒たちは、教科書検定をテーマにした疑問や問いかけのスライドを上映します。
同行していた槙野が止めに入りますが、スライドの視聴は続行。
展示を見終わり教室から出てきた副大臣を、神崎はどうだったかと取材するのでした。
主任の溝端からどうなっていると職員室で御上は詰め寄られますが、そこに一枚のFAXが送られてきます。
「倭建命」からの新たなFAXが隣徳学園に届きますが、溝端主任がすぐにシュレッダーにかけてしまうのでした。
『御上先生』4話で視聴者に伝えたかったメッセージ
ドラマ『御上先生』4話が視聴者に伝えたいメッセージは、「教育の真の意味と、それを守るための勇気と行動の重要性」です。
このエピソードでは、御上や生徒たちが教育の矛盾や疑問に直面し、それに立ち向かう姿が描かれています。
文化祭での教科書検定に関する展示は、単なる生徒の自主企画ではなく、現代教育の問題点に鋭く切り込むものです。
この展示を通じて、視聴者に「教育とは何か」「本当に学ぶべきことは何か」を問いかけています。
さらに、御上の兄の事件や槙野の過去も物語の核心に迫る重要な要素です。
兄の死をきっかけに教育改革を志す御上と、同様に過去の出来事から文科省を変えようとする槙野。
それぞれの動機には、個人的な悲しみや怒りが込められており、視聴者に「不正に立ち向かうには何が必要か」という問いを投げかけます。
また、FAXで送られてくる声明文は、不正を暴き正義を貫こうとする意志の象徴です。
このエピソードを通じて、『御上先生』4話は視聴者に「不正を見過ごさず、自分の信じる正義のために行動することの大切さ」を強く訴えかけています。
教育の場が持つ本来の価値を守るために、立ち上がる勇気を持つことが重要だと伝えているのです。
『御上先生』4話の感想
ドラマ『御上先生』4話の冒頭、槙野のお墓参りのシーンが意味深でしたね。
スーツ姿から仕事の前に立ち寄ったように見えますが、朝にわざわざ墓参りに訪れる姿から、亡くなった相手を慕っていたんだろうなと感じさせられましたね。
その相手「高見」が誰だったのか、槙野との関係性が気になります。
是枝先生が倭建命について言及した際、もしかして御上先生ではなく槙野が倭建命?と新たな可能性を考えさせられるシーンもありました。
さらに「真秀ろば」が理事長の名前と一致している点など、細部にわたる緻密な設定には感心しましたね。
登場人物が多いドラマですが、人物設定を細かく練っているんだろうなというところを感じました。
生徒たちがディベートを行うシーンも印象深く、大人でも学べる要素が多く含まれていましたね。
特に御上先生が教科書検定の企画立案者である東雲に、反対派の役割を担わせたのは見事でした。
この手法により、東雲は企画に参加しない人々の視点を理解し、クラス内の不参加の生徒とも話し合う、物事を円滑に進めるためには根回しも必要と教えていましたね。
御上が東雲に対して、ただの理想論ではなく現実的な解決策を示した場面も印象に残りました。
ダミーの企画書を使って企画を通し、展示チェックを巧妙にかわした上で、本来の企画を文科省副大臣に提示する流れは見事でした。
また、東雲の父親役として声優の関智一さんが出演していたのは嬉しいサプライズでした。
アニメも見るので「関さんじゃん!」と思わず声が出てしまいましたね。
最後に、槙野が塚田の前で御上先生に電話をしていたシーンも気になります。
御上と槙野は本当に対立しているのか、それとも策略の一部なのか、今後の展開が楽しみです。
『御上先生』5話あらすじ予想
『御上先生』5話は、個々の信念と社会の壁にどう立ち向かうかが問われる、緊張感あふれる展開が予想されます。
神崎(奥平大兼)はついに御上(松坂桃李)と共に拘置所を訪れ、真山弓弦(堀田真由)との面会を果たします。
真山弓弦は最初は頑なに心を閉ざし、自らの過去について語ろうとしませんでしたが、御上を通じて少しづつ過去が明らかとなっていきます。
真山弓弦の過去には、教育界の闇に深く関わる秘密が隠されており、それが御上の兄の事件とどう繋がるのかが徐々に明らかになっていきます。
一方、隣徳学園の3年2組は高校生ビジネスプロジェクトコンクールに向けて準備を進めています。
しかし、このプロジェクトにも大人社会の権力構造が影を落とし、学校側からの圧力や忖度が生徒たちの自由な発想を妨げます。
生徒たちは自分たちの意見を貫くべきか、大人たちの期待に応えるべきかで葛藤しますが、御上の提案でディベートを行い、真の「答え」とは何かを探求していきます。
そんな中、御上自身にも新たな試練が訪れます。
槙野(岡田将生)の動きが一層怪しくなり、御上の教育改革への意志を揺るがすような圧力が加わるのです。
さらに、隣徳学園に届いた「倭建命」からの新たなFAXが、これまでの不正を白日のもとに晒そうとする決定的な一手となります。
果たして、神崎は弓弦から真実を引き出せるのか?
生徒たちは権力に屈せず、自分たちの信念を貫くことができるのか?
そして御上は、自らの理念を守り抜くことができるのかに注目です。
まとめ
『御上先生』4話では、文科省職員・槙野と「高見家」の墓の関係、御上宏太の兄の事件、隣徳学園に届く謎のFAXが重要な鍵となります。
槙野は「高見家」の墓を訪れ、回想シーンから高見という人物が入院中に自ら命を絶ったことが暗示されます。
槙野は上司・塚田に従いつつも、自身の権力拡大を狙い中岡に近づいており、文科省内の人事権を握るための野心が垣間見えます。
一方、御上の兄の事件は、声明文を校内放送で発表した後に命を絶った真相を神崎と次元が知ることとなります。
御上の兄は、自身の通っていた学校で行われていた不正入試に抗議し、生徒たちの学ぶ権利が侵害されている現状に異議を唱えたと考えられます。
また、文科省副大臣を文化祭の教科書検定展示に招いたのは、生徒の東雲と御上の思惑が一致した結果でしたが、御上にとっても好都合なものだったでしょう。
展示内容は教育の矛盾に鋭く切り込み、副大臣に直接問題提起することで改革の波紋を広げようとする御上の意図が見て取れます。
さらに、隣徳学園に届いた「倭建命」を名乗る人物からのFAXは、不正を暴こうとする警告文と解釈されます。
このFAXは、裏口入学や教育界の不正に関わる人物たちに対する制裁の宣言とも受け取れ、今後の展開で隠された真実が明らかになることを予感させます。